認知症になっても贈与する方法
贈与は、あげる方ともらう方のお互いの意思があって成立します。
では、認知症の人が意思表示できなくなった場合、贈与はできないのでしょうか。
※娘からのプレゼント(2024)
贈与
お金やモノを贈与させるためには、あげる方ともらう方のお互いの意思がなければ成立しません。
つまり、あげっぱなしでもらう方がもらったことを知らなければ、贈与は成立しないのです。
また、贈与契約書を作れば贈与になる訳でもなく、お金やモノがあげる方からもらう方へ動いたという、贈与の事実がなければなりません。
生命保険の活用
では例えば資産家が認知症になってしまって、生前贈与をしたいにもあげるための意思表示ができない場合、贈与する方法はないのでしょうか。
認知症になる前に対策する必要がありますが、認知症になっても贈与する方法があります。
それが生命保険を活用した方法です。
例えば、
①保険料負担者・契約者を資産家とする一時払い終身保険に加入する
②贈与したい人に契約者を変更する
③資産家が認知症になってしまう
④新たな契約者が契約の一部を解約し、新たな契約者に解約返戻金が入る
⑤解約返戻金の額だけ、贈与税の対象になる
認知症になる前に契約者変更することが大切です。
それができれば、仮に資産家が認知症になっても、新たな契約者の意思で解約などの契約の変更が可能になります。
また、解約返戻金の額を一部の解約の都度、贈与税の基礎控除の金額である110万円以内にすれば、贈与税なしで贈与することもできます。
手段でなく目的
認知症になった場合という前提があっての贈与になるので、そもそも認知症にならないことを最優先に考え、毎年110万円を贈与していれば、このような手段を使う必要はありません。
また、生命保険を利用することで、始めに支払った保険料より、解約返戻金が目減りする可能性は十分に考えられますので、デメリットもきちんと把握することが必要です。
自分の知らない方法がいくつもあっても、自分がどうしたいか、その目的をしっかりと持って判断したいものです。
■編集後記
食欲旺盛な5歳の娘。普段よく海苔を食べるが、
その影響かも。大食いタレントがトレーニングで、
太巻きを食べ、海苔で胃の中を膨らませていたらしい…。